関節リウマチ
関節リウマチは、関節のこわばりや痛みなどが生じ、症状が進行すると関節が変形して動作に影響が出るようになる病気です。関節リウマチは免疫系の異常によって引き起こされ、関節の炎症が慢性化します。
かつては不治の病と考えられていましたが、医学の進歩により、現在では様々な治療法を提供できます。内服薬や注射薬（生物学的製剤）を用いることで、症状の進行を抑えることや寛解へと導くことが可能です。
初期の段階で治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、生活の質を向上させることができます。こわばりや痛みなどの症状が現れた場合は、迅速に医師の診察を受けることが重要です。
症状が起こりやすい場所
- 手関節
- 中手指節関節
- 近位指節関節
症状が出たら整形外科を受診しましょう
関節リウマチは、早期発見と早期治療により、症状が少ない状態を維持することが可能です。良好な状態を長く保つためにも、初期症状に気付いたらできるだけ早く整形外科を受診してください。早期の治療開始により、炎症を抑え、関節の変形を防ぎ、生活の質を向上させることが期待されます。また、定期的なフォローアップや適切な薬物療法、生活習慣の改善なども重要です。
関節リウマチの初期症状
- 倦怠感
- 食欲不振
- 微熱
- 朝起きた時の手のこわばり
関節リウマチは、４０～６０歳代の女性に発症することが多いですが、最近ではご高齢の方の発症も増えており、その原因は未だ解明されていません。しかし、自己免疫の異常が関与しているという見解が一般的です。関節リウマチの初期症状は、更年期やホルモンバランスの乱れでも起こりやすいため、見逃されることがあります。
具体的な初期症状としては、関節のこわばりや腫れ、痛み、朝の関節の硬さ、疲労感、全身倦怠感などが挙げられます。これらの症状が継続して現れる場合、関節リウマチの可能性が高まります。
関節リウマチの治療
関節リウマチの治療は、症状の軽減や関節の破壊を防ぐことを目的として行います。以下は、主な治療法とその特徴です。
初期治療
痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤を使用します。以前はステロイドを使用することもありましたが、現在では副作用のリスクを考慮して、少ない量での短期使用が主流です。
内服薬
メトトレキサート（リウマトレックスなど）などの内服薬を使用します。これらの薬は免疫系を抑制することで炎症を抑え、関節の破壊を防ぎます。
注射薬
生物学的製剤と呼ばれる薬剤を使用することもあります。これらの薬は特定の免疫物質をブロックすることで、炎症を抑えます。
手術
関節破壊が進行し、日常生活に支障が出る場合には、手術をおすすめすることがあります。手術の種類には、関節形成術や人工関節置換術などがあります。
関節リウマチは完治することは難しい病気ですが、早期治療と定期的なフォローアップにより、症状の安定や関節の破壊を最小限に抑えることが可能です。近年では、治療をしっかり行うことで、薬をやめても症状が再発しない状態を獲得できるとの報告もあります。